*ボクは専門家ではなくて経験者です。
先生や病気に向き合う、ひとつの参考情報程度にしてください。
今日で手術から13日。
正式な病名としては存在しないのですが、診断書では次の通り、「右先天性囊胞肺」とのことでした。手術前に、きちんと詳しい説明してもらいました。
妙なことに「症状:今のところなし」なのに、肺を切除する手術をしたので、詳しく記録しておこうと思います。
そもそもの病名、「右先天性囊胞肺」ですが、1才8ヶ月の時点でも、レントゲン撮ったりあれこれしても、断定しきれないものがあるようでした。
何が起きているかというと、「肺の一部の気管支が詰まっていて、機能していない」とのこと。ボクらは意識すれば、胸か腹かに空気を吸い込むことができますが、彼の場合、胸に吸い込んだときに一部がふくらまないわけです。そこまではわかっています。
心臓が4つにわかれているように、肺は6つにわかれているようです。そして、その1つが機能していません。産まれる前から(先天的に)こうだったので、治す選択肢はなく、切るか、切らないかを、親が選択することになります。
産まれてすぐ呼吸してここまで育ってきたので、このまま死ぬまで症状が何も発生せずに寿命を迎えるかもしれません。だけど何かのきっかけで症状が出てくる場合があるそうです。これも断言できないのですが、「風邪を引いたときに、悪化させてしまって肺炎になったとしたら、そのときにこの肺のせいで一般の肺炎よりも悪化する恐れがある」といった感じです。
「それはいったい、どれくらいの確率の話なんだろう・・・」と1年半ほど考えたり、夫婦で話し合ってきました。
医師からの話では、「手術するなら1才をすぎて、2,3才くらいまで。“痛み”を知らないうちに。」とのことで、とっても納得。死ぬまでに症状が出る人は50%くらい、とも言われました。子どもが成長するにつれて、ボクたちは決断を迫られもしていったわけです。
はじめのうちは、手術ナシでいこうとボクは考えていたのですが、だんだんと手術する方へと方針が揺らいでいき、今回の手術となりました。判断がはっきりしない頃は、特にヨメを混乱させたり不安にさせてしまってたと思います。こういうところを見せたり伝えたりしたのは、大きな反省点です。
手術へと決断した理由は3つあります。
1つ目は、子どもが呼吸系の病気になったときに、ごく一般的な風邪だったとしても、少し長引いたり、妙に長く咳き込んだりしたときに、このことがチラッとよぎると考えたから。これ以上、エネルギーをそこにとられたくなかった。この不安とサヨナラしたかった。すごい利己的な発想です。
2つ目は、子どものうちに切ると、残りが大きく育って役割を補ってくれる可能性が高いこと。残りの肺ががんばって大きく育ったり、強くなるわけです。まだ人生100年ほど残ってますからね。
3つ目は、症状が発生したときに、どの国にいるかわからないから。症状が出るとしても、何歳で出るのかわかりません。症状が出ないまま一生を終える人もいるわけですから。彼の人生を考えたとき、どの国で生活しているのかわかりません。医療水準も違うだろうし、文化や方針も違うだろうし。そのときにこれが原因でロスが起きるのはもったいないと考えました。
彼の一生で何も起きなければ、今回の手術そのものが親の取り越し苦労になってしまうわけですが、じっくり考えた結果、ボクらの家族ではこの決断で良いと確信を持ちました。
「手術前の4週間、風邪を引いたら手術が延期」がかなりきつく、神経質になりましたが、入院中も大変でしたね・・・。ヨメが24時間付き添いをすることにしたのですが、なんと子どもエリアは、飲食禁止!!!どうやって三食を食べろと・・・。毎日様子を見にいっていたので、交代で食事するなどしましたが、ヨメはものすごーく疲れたはず。幸いにも、術後が順調で、1週間で退院できたので、今は家族いっしょにいられることが幸せです。
前にも書いたけど、見た目には笑顔が増えました!子どもなりに、病院生活よりも、家にいることの幸せを感じているんでしょうか。ボクが仕事から帰ってきたりすると、とてもうれしそうです。まぁ・・・ボクは家にいるほうが多かったりしますけどね・・・。
ただ、今までのようには遊べておらず、彼はしんどそうですね。やたらと抱っこを求めてきたり、遊びにいっても、これまでよりもおとなしいです。借りてきたネコのようで、どこの子?と疑ってしまうくらい。術後しばらくしてから、医師の診察をうけましたが、「子どものペースにあわせて、生活していってください」とのことでした。要するに、順調なんでしょう。今までより、賢くなった気もするし、いらんことをするようになった気もするし、順調ですね。
※※※ この下に傷口写真があるので、閲覧注意 ※※※
脇腹にテープを貼っているのですが、 今日取り替えてみました。
術後13日目でこんなかんじです。あばら骨が浮き上がっているように見えるのですが、最近の手術ではこんなのにするのが主流?だそうで、内側から!?縫っているそうです。傷跡が残りにくいとかなんとか。ちょっと押さえてみたら彼は痛そうでしたが、昨夜、寝てるときにお父さんの口に足を入れてきたのも痛かったし、イヤな気分になりましたよ。