ひとりっ子でずっとテレビとお話してきたからか、机でプログラムとチャットと向き合ってきたからかは わからないが、「伝える」ことが不得意なままきている。
だけど、本業が順調なこともあって、廻ってくるオシゴトの役割が明確になり、この領域にも力を入れていく必要が出てきている。これまでの情報や技術の蓄えで、即答できる情報は持っていると思うが、それを、わかりやすく短い文章で、確実に伝達することが うまくできていないと感じている。
全てのケースがこうなるわけではないが、ハマってしまうと、伝わらずにこちらはモヤモヤするが、クライアントはもっとイライラしているはず。これは何とか改善したい。
コンサルタントの「質問力」 (PHPビジネス新書 52) 野口 吉昭 PHP研究所 2008-03-19 |
信頼できそうなコンサルタントと感じている野口吉昭氏の新書を読んでみた。苗字が同じだし、何かいいことがあるかも。前に「コンサルタントの「現場力」 (PHPビジネス新書)」という本を読んでいて、当時も胸を打つものがあったので期待が高まる。
野口吉昭氏は専業なので、ボクと一致するわけではないが、コンサルタント要素を含む仕事は、依頼があった時点からもうスタートしていると考えている。初回の訪問時に、何も用意せずに、自社のサービスメニューだけを持っていくのでは、クライアントに時間をとらせ、こちらも時間を割いて足を運ぶ意味がない。依頼があった時点からコモンセンスを蓄える調査が必要になる。事前に調査するのは、クライアントの事業内容や業界事情、競合、これまでの経緯、これらをできる限り事前にリサーチしておくことが必要になってくる。
それだけではない。その上で「仮説」をたてておくことが重要になってくる。ヒアリングに行き、またはプレゼンテーションする時点で、プロジェクトの終了時点が予測できていれば、ヒアリングはスムーズに進むだろうし、共感を得られる。こういった流れで進めば、このプロジェクトは成功へぐっと近づく。
文章にすると構図はシンプルに思えるが、「あらかじめ決まったものを、その通りに作る」ことを求められるのではなく、クライアントの理念や想いにあわせてカスタマイズすることが求められるため、実際は非常に複雑だ。こちらの実績やスキルありきではなく、クライアントの要望ありきの地点からゼロスタートして、オーダーメイドの企画にすることになる。クライアント自身も、依頼時点から内容が定まっているわけではないので、準備・提案だけでなく、現場で臨機応変に対応する力も求められる。
ボクはこういったチカラは経験の積み重ねで身につく、と考えているため、結局のところ、準備万全で100%の状態になることは、この先ずっとないと感じた。言い換えれば、毎回毎回で最善を尽くし、失敗を恐れず、過去の成功に縛られず、チャレンジしていくことを求められていると考えている。
終わりのない旅は、始まったばかりだ。いつまでも。
TPO に最適なものをゼロベース思考で組み合わせることができる人が、本当のプロフェッショナルなのだ。ソムリエの最初の大切な仕事とは「観察」することなのだから。
空気が読める人間でありたいものが。空気が読める人間はいい質問をする能力がある。空気とは質問の背景そのものであり、時に本質を示すものでもあるからだ。
質問力のあるビジネスパーソンの6つの条件、すなわち
「聞く態度を身につけている」
「鋭い質問で相手を感動させる」
「事実を使って全体像を示す」
「相手を積極的に自己開示させる力を持っている」
「物語を聴く力を持っている」
「空気を読むのがうまい」
に加えて、とりわけコンサルタントに求められる質問力の条件も身に付ける必要がある。
コンサルタントの質問力とは?
・仮説力
・本質力
・シナリオ力
クライアントから依頼されたプロジェクトの目的を確認し、コンサルティング・メンバー内での共有化を図る。次に情報を収集して、整理分析する。そして課題の体系化を図り、目標を設定する。そのうえで基本コンセプトや基本戦略を立て、アクションプランを作成。そして実行に移してもらう。
いきなり質問から入るのはやめにして、まずは自分が何者で、なにをやっているのかを明らかにすることにした。今回のプロジェクトの目的とインタビューの主旨、そしてここまでプロジェクトチームが立ててきた仮説を社長に説明したのである。
仮説を立てながら、仮説を捨てる。これができる人は非常に少ない。一度貼ったレッテルは、なかなか剥がせないのだ。
カウンセリングの基本は「傾聴」と「共感」
具体的、具体的、そして抽象的な質問。その抽象的な質問への答えからヒントをもらって、さらに具体的に、そして抽象的にと質問をしていく。これを繰り返すことによって、より深く、高く、広くその場を作り上げていき、徐々に抽象度も上げていくといい。このようにして具体的と抽象的を使い分けることで、いい場ができ、いい情報が得られ、いい関係もできてくる。
プロジェクトでは、ルビコン川を渡らなくてはいけない場面が必ずあるものだ。まず不可欠なのは、コンサルタント自身がルビコン川を渡る覚悟を決めること。そして次に求められるのは、クライアントの担当者や責任者に対して、ルビコン川を渡る覚悟を促すことだ。
組み合わせてまとめる力を発揮することで、最初は矛盾を含んだ思いつきでしかなかった相手のプランが、より本質へと近づいていくわけだ。
でも一方で、相手がズバリ本質を述べたときには、余計な質問はせずに「わかります」と一言言えばいい。するとお互い「モノがわかる人間」としての信頼関係が深まる。
彼らに共通しているのは、まず本質を求める探求心。そして自分で考える習慣である。この二つがあるから、誰かが語った何気ない一言や、世の中のさまざまな現象、専門分野の世界で繰り広げられている高度で複雑な議論などの中から、本質を抽出し、自分の言葉として表現することができているわけである。
結局のところインタビューは、その場その場で質問を決めていくアドリブ力がモノをいう。
シナリオ力のある質問
1.質問のセオリーは積み上げ方式
2.質問ツリーの階段を縦横無尽に行き来する
3.抽象的な語りを具体的な語りに落とす
4.軸をずらし軌道修正を図る
聞く力・聴く力とは
1.相手が発したメッセージを読みとる
2.ナラティブな語りに耳を傾ける
会社の理念や存在意義をありありと語る「ストーリーテリング」
仮説力・本質力をシナリオ力で組み立てるのが「質問力」