尾崎豊をはじめて聴いたのって、中学三年の音楽コンクールのときじゃないかな。そのときはもう亡くなってたはず。夜のヒットスタジオとかいう番組に出たときにみたような気もするけど、不確かな記憶。
あー、ヤなこと思い出してしまった。ヤだから書いてしまおう。話が大きく逸れるけど。
その音楽コンクールで自由曲を決めるときの話。クラスの投票で決めることになって。会うと今でもボクにやさしく絡んできて、ローソンなんかでおごらせようとする女子Mさんが尾崎豊の「I Love You」を出して。亡くなってしまった男子OくんがTMNの「なんとかかんとか(忘れた)」いう曲を出して。なぜか一騎打ちになってしまった。ボクは米米クラブの「君がいるだけで」がよかったけど、他のクラスがもう選択してたからってことでナシになったわけ。ボクの中で。
「あー、こりゃ尾崎だろうな」って思ってたら、どうも男子が結託して、全員がTMNに投票!亡くなった年だったかもしれない。えー、ボクはどっちかいうたら尾崎だったので、というか、TMNはないやろ?って感じで。
こっそり紙に「I Love ・・・」と書いてやろうと思ったら、M君がわざわざボクのところに来て、「何て書いてん?」って。
いやいや、オレらそういう関係ちゃうやろ?って思ったけど、平和主義なボクははっきりと「TMN」って書きました。あー、あのときのM君の顔が忘れられないな。なかなか消えない。だれも影響ない話だけど、ボクの中だけで汚点となった決断だったんだなって。(クラスは女子の方が多いので、必然的に尾崎豊の「I Love You」になりました。)
こういう記憶の深さのことを、ボクの中では「傷の深さ」って呼んでます。深い傷はなかなか消えないでしょ?同じようになかなか忘れない。忘れられない。この傷は大きいかどうかじゃなくて、深いかどうかなんです。
あーえらい回り道した。閑話休題。
その音楽コンクールのときは特別何も感じなかったんですよね。だけど、しばらくたってクラスのだれかにCDを借りた気が。(あーあの女子だな。)それで「うわー、なんかすごいいい声!」って思って。他のCDも借りて、聴くようになった。よく考えたら、ZARDも奥井香(プリプリ)も同じ理由だったかも。透き通る声だったからね。あ、奥井香(岸谷香)はどうしてるんだろ?
とにかく、尾崎豊、すごくいい声だなー!好きな声だーー!って。
当時は声がいいとか、曲がいい感じとかって思ってたくらいだったけど、こないだYouTubeで目にとまったので、いくつかみてみたんですが、なんか・・・変わってる・・・。変わったのがボクであることは間違いないのですが、こんなすごい詩だったっけって感じで。
10代で、こんなコトバが内面から出てくるのか。信じられへん。
これなんて、16才ですよ?
■ダンスホール
自分の内なる想いを表現できて、さらにそれが共感されるって、すごいことですよね。内なる想いって、ごちゃごちゃしてますよね。なんで15年くらい前のボクはわからなかったのに、それよりも前の時代で、さらにそのボクよりも若かった尾崎豊には表現できたんですからね。
今になって理解できるコトバがあるなぁって。
いやぁ・・・泣けるなぁ・・・。
ちなみに、どこかのポータルサイトで、「現在の若者」に尾崎豊のことをインタビューしてたんです。どこだったか忘れたけど。その時の意見が秀逸で、世代の違いを感じましたね。
「盗んだバイクでは走らないよね?」
「ねー(同意)」
「熱すぎてこっちが疲れるって感じ?」
「ねー(同意)」ぴろきち心の声「(・・・えぇ!!?)」
尾崎豊は26才で亡くなったので、早すぎる死だとかよく言われるけど、自分に置き換えて考えてみると、単に長生きすればいいってことじゃないんだって思いましたねぇ。人生ってきっと、濃さですね、密度ですね。その上で、長く生きれたらいいなって。
10年以上経ってからやっとわかったくらいのボクが思うのもまたアレだけど、あれから尾崎豊に変わる歌手には出会ってないなぁ。雑食なので音楽は何でも聴いてるけど、変わる人は今のところいないなぁ・・・。加藤ミリヤが一番近い感じかもしれない。
個人的に好きな曲を並べておくので心当たりな人は、YouTubeを探検してくださいね。あなたの環境が変わったはずで、きっと心にしみて泣けますよ。
■僕が僕であるために
■ロザーナ
■きっと忘れない
■傷つけた人々へ
■太陽の破片
■誕生